root log(ルートログ)

Stop Working Late ...

Stop Working Late ...(1)
Stop Working Late ...
写真の動物はクズリ(Gulo gulo)というそうです。イタチ科の哺乳類で、アメリカやカナダ北部、ロシア北部、スカンジナビア半島に生息。体調が65〜105cmと、イタチ科の中ではやや大型でがっしりした体格。足は幅広で短く、人間のように足の裏全体を地につけて歩行するため、雪上での行動に適しています。性格は凶暴で、トナカイを襲ったり、オオカミの獲物を横取りすることもあるそうです。本の説明によれば、「食物連鎖の頂上に位置する、最も小さく最も強い捕食動物です。クズリがクマほどの大きさであったら、間違いなく地球上で最強の動物になっていたことでしょう」。

このクズリが表紙になっている『エンジニアのための時間管理術』、読者をSA(System Administrator=システム管理者)に設定してますが、システム周りだけでなく、一般事務や日常に即したライフハック的テクニックが多く紹介されているので、事務職の方々も読めるのではないでしょうか。また、この本の特徴の一つとして、はっきりしすぎるくらいの語り口調があります。あいまいさを排除しながら、良いと悪い、行うと行わない、必要と無駄を明確化し、タイムマネジメント術を指示しています。

ただ、インターネットにより場所と時間の制約がなくなってしまった今、タイムマネジメントはほんとうに可能なのかと最近感じています。あまりにも自分の周りに情報が多くなり、その処理に追われるうちに1、2時間あっという間にたってしまいます。そこに携帯電話による割り込み処理がある状況で、仕事を始める前のToDoリストやら優先事項やらを立てて仕事をする意味などあるのだろうかと感じています。

工場などの生産ラインでは、確かに可能だと思います。要はラインが効率よく完了すればよいのです。そのためにどこに無駄があるのか、どうすれば無駄を省けるのかを物理的・視覚的に分析し、効率良いルーティン処理を実現していくこと、そういったサイクルを日々行うこと。

しかし、デスクワークでは、処理自体がとらえにくいものであるし、常に割り込みとの戦いであるため、ルーティン化も難しいと思います。某下着メーカーのように午後数時間はしゃべらない、電話を取らないといった環境を強制的にとればそれも可能かと思いますが、社員によってはいろいろなレベルもあり、全員同じように会社側の環境を押し付けることで、モチベーションの低下にもなりかねないといった弊害も考えられます。

また、日本企業の経営理念として「和」というものがあります。欧米のような職務規定にのっとった契約ではなく、社員間での仕事の境界があいまいなのです。そのため、自分の時間やテリトリーを守りきるというのも簡単ではありません。

では、タイムマネジメントをやめてしまえば良いということでしょうか。そうではないと思います。要は、情報に取り囲まれながら生きていく自分にとっての閾値を見つけられさえすれば良いのだと思います。この本でのはっきりした言い回しを読みながら、これならできそうだとか、これは無理だとかいったことを感じている自分がいるわけですが、そういった情報を切り分けるための境目のようなものが見えれば、割り込み処理であろうが、人間関係であろうが、その境目を基準に判断すればよいのですから。その境目を見つけるにあたり、この本ではタイムマネジメントの根本について、最後に触れられていました。

「おわりに」という章で「『新しい』自由時間をどうするか」という点で、その時間を利用して「悪と戦う」と述べられています。悪と戦う非営利団体を助けること、教育委員会に参加すること、公職に立候補することといった、社会にかかわる活動にその時間を活用するといったこと。それは、正義の味方になれとか政治家として世界を変えろといったことではありません。その考えの根底にあるのは「家族」なのです。週40時間の労働を宣言し、家族との生活を取り戻すこと。

ただし、いくらそういった活動を行ったとしても、自分がどれだけ世界を変えたのか、人に影響を与えたのかといったことは決してわからない、ただ「時間をかけた甲斐があったと信じること、それがすべてです」といっています。ここまできてようやくわかったのですが、タイムマネジメントは仕事を効率よく行う術ではなく、人生を豊かに過ごすための知恵なのだということなのです。

※ここ数日、ルートログをお休みさせていただいてましたが、時間の使い方の優先順位を思い切って変える時期にきていると痛感しています。家族や友人たちとの時間もさることながら、自分の体力の問題も出てきています。今回、まだまとまっていないが漠然と考えている、まとまらない、かなり主観に偏った言葉を述べさせていただきました。何かご指摘いただければ幸いです。
Update: 21:59, Feb 05, 2008 | Category: Book | edit | write your comment about this entryWrite | read the comment about this entryRead(3) | rssRss