シリコンバレーを抜け駆けろ
シリコンバレーを抜け駆けろ
2002年ミック・ジャクソン監督作品。
「Once upon a time... in the gold rush(昔々・・・ゴールド・ラッシュがありました)」のテロップで始まる。昨年日本で「虚業」といわれたIT業界をゴールドラッシュに喩えてのことだろう。
主人公アンディはそんな営利主義の職を捨て、夢を抱いてシリコンバレーというモノ作り現場に転職する。そこで待ち受けているのは、彼の期待とは裏腹の、モノ作り業界からの排他と、オタクチームとの99ドルPCプロジェクトへの参加であった・・・
こんな始まり方だが、そこは典型的なアメリカ映画。隣人の女の子の精神的な支えとか、オタクチームの天才的技術、アンディ自身の発想力から、見事にPC99の開発に成功し、最後はアンディと彼のチームのハッピーエンドに終わる。爆笑というよりは、クスクス笑いで、見終わった後は「よかったね」という安心感を与えてくれる作品だった。
話はそれるが、最近Web2.0のことばかり考えているせいか、彼らの開発したPC99がまさに「あちら側」を基準に作られている気がしてならない。
PC99は99ドルという安さである。価格を99ドルに抑えるというのは、『ウェブ進化論 』で語られているチープレボリューション(ネット環境の低価格化)を実現するものであり、Web2.0サービスを加速させることになる。
ところで、PC99はコストダウンのために「余分」なデバイスをことごとく排除している。ここで「余分」としているものは、大きく以下の通り。
・入力デバイス(キーボード、マウス)
・出力デバイス(ディスプレイ、プリンタ)
・ストレージデバイス(各種ドライブ)
この結果、PCの形状はマイクのような小型の筒状のものになる。筒の上には開口部があり、レンズが取り付けられていて、そこからホログラフ状のデスクトップが投射される。ホログラフデスクトップの領域にはレーザーが放射され、ユーザーの指の動きを感知する。その仕組みのおかげで、ホログラフデスクトップに表示された3Dアイコンにユーザーは直接指で触れ、メールの確認やマルチメディアの操作等を行うことができる。
ここで重要なのは、ストレージデバイスがないということだ。ではソフトウェアはどこにあるのか?それはネット上にある。HDDにインストールされたソフトウェアは全てネット上に移行され、なにか作業するときはネット上から直接ソフトウェアを利用する。ローカル環境をそぎ落とされたPC99は、ネットという「あちら側」につながれていることで初めてPCの役割を果たす端末なのだ。
映画の話に戻るが、プログラマ的で、アナーキーで、うまく役柄をとらえた台詞だなと思ったシーンがある。プログラム開発担当のタイニーが最初にコードを書き上げた時のこと。タイニーというのは天才プログラマであるが、エッチで、グラマーな女性に目がない。プログラムを完成させたタイニーは、仲間に「How many lines of code?(コードは何行?)」と聞かれ、プログラムの焼かれたディスクを見せながら次のように言う。「SixtyNine(69行)」。







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