Macユーザさん、Winユーザさん
Macユーザさん、Winユーザさん
本日打合せのため、ある会社に伺ったところ、数年前に書籍の編集でお世話になったAさんとばったり会った。8年ぶりである。とても会話が好きな方で、打合せの時は仕事の話が三分の一、あとは雑談である。本のこと、パソコンのこと、映画のこと、食べ物のこと等・・・無駄話が多いのだが、ちゃんと書籍は締切り通り出来上がるから不思議だ。
いろいろ雑談をさせていただいた中で、一番覚えているのがパソコンのスキルについて。確か「あなたはMacユーザさん、Winユーザさん?」と聞かれたと思う。その頃、自分はMacintoshを使用して書籍の制作を行っていたので、「Macユーザです」と答えた。そしたらすかさず「じゃあ、Winユーザさんになりなさい」とかなり強い調子でいわれた。
Aさんは特にMicrosoft信奉者であったわけではない(どちらかというとアンチMSだったような気がする)。一方、私も私用でMacintoshのPowerBookを使っていたので、ややムキになってMacの優れた点をいくつか述べたと思う。
そんな私を見ながら、そういうと思ってましたという顔をしていたAさんに理由を聞いた。そしたら、なぜWinユーザになるようすすめられたのか納得したばかりか、その日のうちに「Winユーザさん」になってしまった。
Aさん曰く、Macユーザのスキルというのは、ある程度までいくとあとは横ばいになってしまうという。
当時Macintoshを仕事で使っているといえば、クリエーターの方々が素人には手が出せないようなソフトを使用して創造的なことを行っていると思われていた。自分もAdobe社のPhotoshopやIllustratorなどでデザインやポスターを制作していたので、知人からはPCのスキルはかなり高いと思われていたようだ。
しかし、Aさんがいうには、クリエイティブ系のソフトは結局ショートカットキー(マウスでメニューからコマンドを選択するのではなく、キーボード上のキーを組み合わせてコマンドを実行すること)を覚えたらあとは手を一生懸命動かすだけ。そうなると、それはパソコンスキルというより運動スキルがあがっているだけだという。
その頃Macintoshは、人間が直感的に操作しやすいOSとして市場に受け入れられていた。マウスだけでほとんどの操作ができるため、学校などでも教育用として取り入れられていた。
ただ、マウスを使った操作性にあまりに優れていたため、多くの処理をこなす場合は一生懸命マウスをはしらせ、ひたすらクリックすることになる。
一方、Windowsのソフトウェアはクリエイティブ系のソフトとはやや異なっていた。ユーザインターフェースがMacintoshに近づいたWindows 95以降、確かにマウス操作での処理がしやすくなった。ただ、Microsoft OfficeやLotusなど、業務用途を主とするソフト類には、処理を効率よく行うためのスクリプト類がたくさん用意されており、そういったスクリプトを自分でアレンジすることで、マウス操作では追いつかないような大量の処理を行うことができるのである。
Microsoft OfficeのMac版も出ているが、Macユーザの知人は、Officeもマウス操作での使い方がメイン、マクロなどを使ったスクリプト処理はあまり使用していないという。確かにネットなどでVBAを使用したプログラム類はほとんどがWindows版対応である。また、Apple ScriptやHyper Cardでのスクリプト処理が標準で用意されていたにもかかわらず、結局消えてしまったのをみると、全般的にMacユーザはスクリプト類はあまり好きでないようである。
その日の別れ際、Aさんは私にPhotoshopのフィルタを覚えるより、まずはExcelの関数を覚えなさいといわれた。そしてその帰り道、秋葉原で中古のDigital Hinote UltraというNotePCとMicrosoft Officeを購入した。
ところで8年ぶりにあったAさん、打合せにNotePCを持ってこられていたが、そのPCはMac Bookであった。「Macユーザさん」になっていたAさんに、思わず「そのMac、いったいどうしたんですか?」とたずねたところ、ハードとして使いやすそうだったし、好きなエディタが動くので買ったという。好きなエディタというのを見せていただいたら、そのエディタはUNIXでおなじみのEmacsだった。そういえば今のMacOS XはUNIXベースだ。そのエディタにコマンドを打ち込むAさんを見て、これって「Macユーザさん」なのかな?と少し疑問を感じながら、MacBookがほしくなってしまった自分である。
※Emacsについては様々なサイトや文献があるので、そちらをご参照ください。オライリー・ジャパンからも次の書籍がでています。







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